スイスフラン円(CHF/JPY)の今後の見通しや予想を徹底解説|現在のレートやおすすめ証券会社とは?

スイスフラン円
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スイスフランは、ヨーロッパの中心地に位置する「スイス」が発行している自国通貨です。

「安全資産」との呼び声も高いスイスフランですが、近年の円安の煽りも影響し、年内の対円レートでは価格の高騰が続いています。

そこで、この記事ではスイスフラン円の現在レートや変動要因について解説します。

この記事でわかること
  • 2024年現在、スイスフラン円は円安の影響もあり179円程を推移している
  • 安全資産となるスイスフランは、地政学リスクやユーロとの関係によって変動しやすい
  • リーマンショック・スイスフランショックといった出来事は、対円レートに影響を与えた大きな要因
  • スイスの金利上昇やGDP成長率の影響により、今後価格が大きく変動する可能性がある
  • スイスフラン円のトレードはGMOクリック証券がおすすめ

2022年の初めから、価格を上昇トレンドで推移してきたスイスフラン円。

2024年現在も円安の影響で、直近では179円台のトレンド相場を形成している状況です。

そんなスイスフラン円は、国内証券取引所から簡単に取引が行えます。

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目次

スイスフラン円の現在のレート

では、さっそくスイスフラン円の現在レートを確認しましょう。

スイスフラン円の現在のレート
引用:TradingView

年内の値動きを見るとスイスフラン高・円安となっており、価格は右肩上がりに推移しています。

2022年3月初頭までは、125円ほどでレンジ相場を形成。

その後、2022年3月8日から価格が高騰を見せ始め、3月19日には135円台にまで到達しています。

ウクライナ情勢が不安定となり、リスク回避手段としてスイスフランの需要が高まったことが、価格高騰に大きく影響したと考えられるでしょう。

また、2022年6月16日にはスイス中央銀行が金利上昇を発表し、134円台で推移していた価格は一気に上昇。

同年6月の終わりには143円の大台に登るほどに、スイスフランは価格を伸ばし続けています。

2023年前半は落ち着きましたが、2023年後半から円安の影響は加速し、2024年7月時点で179円までの高値更新を見せています。

スイスフランも円と同様、投資家による有事の際のリスク回避資産として需要を拡大させてきました。

しかし現状、スイスフラン買いの勢いを増している点からも、投資家が安全資産としてスイスフランに比重を置いていることがチャートから読み取れます。

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スイスフラン円のレートの変動要因

スイスフラン円のレートに大きく影響を与えるのは、以下のような要因が考えられます。

スイスフラン円のレートの変動要因
  • 地政学的リスク
  • ユーロの動向
  • 金相場との関係性

地政学的リスク

スイスフラン円レートの変動要因として大部分を占めるのが、地政学的リスクでしょう。

地政学的リスクとは?

特定の国や地域が抱えている問題が、周辺の国の経済や世界情勢に大きく影響を与えるリスクのこと。

政治的・軍事的な緊張感が高まることで、商品や通貨価格の大幅な価格変動につながるケースも。

そもそもスイスフランが「安全資産」として認知されているのは、スイスが他国の争いに介入せず、経済的に安定している永世中立国のためです。

「紛争や経済危機のリスクが他国と比べても低い国」と各国から認知されているのは、スイスフランにとって大きなポテンシャルといえるでしょう。

そのため、国同士での緊張感が高まると、資産の避難先としてリスクの少ないスイスフラン買いが集中します。

例えば、過去に起きた以下のテロや紛争時などのタイミングでは、スイスフラン買いによる価格高騰が起きています。

スイスフラン高騰の要因となった地政学的なリスク
  • 2001年9月:アメリカで起きた9・11テロ
  • 2003年3月:イラク戦争勃発時
  • 2011年初頭:中東・アラブ諸国の民主化運動の激化

その他にも、2011年8月に発生した欧州債務危機といったシーンでも、スイスフラン買いの圧力がエスカレートしました。

国家が安全である・安定した経済圏を保っているスイスだからこそ、自国通貨となるスイスフランが有事の資産逃避先として真っ先に検討されています。

ユーロの動向

スイスフラン円は、ユーロの動向にも大きく左右されます。

スイスはEU加盟国に囲まれる地形となっており、周辺国との経済的なつながりが少なくありません。

というのも、スイスはドイツ・イタリアなどのEU圏をメインに取引を行なっており、2021年国別の輸出割合を見ても、EU圏は全体の半分以上と大きな割合を占めています。

ユーロの動向
引用:日本貿易振興機構

仮にユーロ圏の経済状況が悪化してしまうと、スイスフラン円レートに大きく影響を与える可能性も十分に考えられます。

また、スイスフラン円はユーロ円レートとの関連性がある点も理解しておくべきでしょう。

以下のチャートは、2024年最新のスイスフラン円・ユーロ円の両レートを表しています。

スイスフランとユーロ円比較
引用:TradingView

両レートの価格の乖離は当然ながらも、比較的似た形で推移しているのがわかるでしょう。

ユーロとスイスフランは一概に無関係とは言えない動きをしているため、EU加盟国の経済状況やユーロ円レートの動向も、スイスフラン円でトレードする際に参考にするのがおすすめです。

金相場との関係性

他の通貨のみならず、スイスフラン円は金相場との関連性も無視できません。

金は全世界で共通の価値を持っており、有限な資源という特性からも、有事の際のリスクヘッジ目的として購入されています。

そんな金とスイスフラン円は、スイスがIMF(国際通貨基金)加盟国であることが大きく関係してきます。

IMF(国際通貨基金)とは?
国際通貨基金
引用:国際通貨基金

1945年に米ワシントンで設立された、国際的な通貨制度を管理する機関。

金融取引による為替相場の安定、金融危機に陥った加盟国への支援などを行っています。

IMF(国際通貨基金)加盟国は通貨の信頼性を担保するため、自国資産の1割ほどの金を保有しておくことが義務化されています。

スイスは現在1,040トン、同国の外貨準備金の6%と十分な量な金を保有。

つまり、金の保有による資金の裏付けがあるため、スイスフランの信頼性が担保されている状況です。

今後金相場の変動やスイスの金保有量が増加していくことで、スイスフランの需要がより高まる可能性があるでしょう。

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スイスフラン円のこれまでの変動とその原因

スイスフラン円はこれまで、世界情勢やスイスの政策によって大きな価格変動を繰り返しています。

ここでは、スイスフラン円の過去の変動とその原因について解説します。

スイスフラン円のこれまでの変動とその原因
  • 2008年9月:リーマンショック
  • 2015年1月:スイスフランショック
  • 2021年9月:スイスの金融緩和維持

2008年9月:リーマンショック

2008年9月:リーマンショック
引用:TradingView

2008年9月に発生したリーマンショックは、ヨーロッパであるスイスにまで飛び火しています。

リーマンショックとは?

アメリカ最大手の投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻したことで発生した、世界的な金融危機。

同社は6,000億ドルもの負債を抱えて破綻、連鎖的に大手金融機関の経営危機を招いた。

リーマンショック騒動を要因として、スイス経済と密接に関わる米国・EUが経済的な危機が訪れました。

もちろんスイスも例外ではなく、スイスの大手銀行も米国同等の打撃を受ける形に。

当時のスイス経済は銀行業界がGDPの1割を担っていたこともあり、他国の同業界へ依存が強かったことが要因として考えられるでしょう。

その結果、ドルやユーロが軒並み暴落を続け、リスク回避先としてスイスフランに買いが集中しました。

一方、対円レートでは8月より下落傾向にあった相場の勢いがさらに増し、価格を大きく下落させています。

9月1日時点では98円台をキープしていましたが、12月になると価格は一時75円を割り込み、年内最低価格を記録しました。

2015年1月:スイスフランショック

2015年1月:スイスフランショック
引用:TradingView

2015年1月には、「スイスフランショック」が相場の一時的な混乱を招きました。

スイスフランショックとは?

スイス中央銀行が「1ユーロ=1.2スイスフラン」の上限を撤廃したことで起こった金融危機。

当時のユーロ安に伴い、スイス国民がスイスフラン安になることを危惧したのが引き金となっている。

そもそも上記の上限を設定した背景には、スイスフランの高騰が要因となりました。

他国からのスイスフラン購入量を抑えることで、通貨流通数の減少を食い止めようというのが上限設定の狙いです。

しかし、スイス中央銀行の対ユーロ上限撤廃の突然発表により市場は混乱、スイスフランに一気に買い注文が殺到。

それに伴って米ドルを含む他の通貨の暴落を招き、スイス中央銀行が外貨の買い戻しを行う事態にまで発展しています。

もちろん対円レートにも大きく影響しており、1月15日には115円の始値に対して138円と20%近く高騰。

わずか1日で相場が大きく乱高下し、多くの投資家が損失に苦しむ結果となりました。

2021年9月:スイスの金融緩和維持

2021年9月:スイスの金融緩和維持
引用:TradingView

2021年9月には、スイス中央銀行による金融緩和の維持が発表され、価格も大きく変動しました。

スイスの金融緩和の背景には、スイス中央銀行のツアブリュク副総裁が言及した「マイナス金利の必要性」が大きく絡んでいると考えられます。

ツアブリュク副総裁は、「金利の引き上げがスイスフランの上昇を後押しするため、経済成長の失速を招く」と指摘。

その結果、9月23日に行われた政策決定会合の末に、スイスの政策金利を据え置くことが決定しています。

また、同時期による新型コロナ感染拡大による景気回復の失速が懸念され、2021年のGDP成長率を0.5%引き下げるとの発表も続きました。

上記の発表により、対米ドルでは一時的に価格上昇が押されられたものの、対円ではスイスフランが高騰。

同年9月23日には118円の始値から119円に高騰し、11月1日には125円台にまで到達しています。

同時期には日米の金利格差が広まり、円の売りが促進されたこともスイスフランの上昇を後押ししたと考えられるでしょう。

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スイスフラン円の今後の見通し・予想

スイスフラン円でトレードを進める場合、ある程度今後の見通しを立てておくことが重要です。

ここでは、スイスフラン円の今後を考える上でのポイントについて解説します。

スイスフラン円の今後の見通し・予想
  • スイスの政策金利の動向
  • 地政学リスクの発生・収束
  • スイスのGDP成長率の回復

スイスの政策金利の動向

スイスの政策金利の動向は、スイスフランの価格動向に大きく影響してくるでしょう。

事実、2022年9月にはスイス中央銀行が-0.25%から0.5%と、0.75%の金利引き上げを実施しました。

スイスは日本と同様、マイナス金利を実践してきた数少ない国のひとつでした。

2023年にも実質金利の引き上げが行われており、2024年7月時点では1.50%の高金利が付いています。

一時は1.75%の金利がついていましたが、直近では利下げ傾向となっているので、今後は再び低金利になる方針となっています。

スイスは国内でのインフレが加速しており、物価の上昇に困惑している国民も少なくないでしょう。

さらなる物価上昇を抑えるためにも、スイス中央銀行が今後も利上げに踏み込む可能性も懸念されています。

地政学リスクの発生・収束

スイスフランは、地政学リスクの発生・収束が価格に大きく影響を及ぼします。

上記でもお伝えしたように、スイスフランは安全資産という面が強い通貨です。

テロや紛争といった軍事的な緊張や経済的な危機といったシーンでは、スイスフラン買いの圧力が強まる傾向にあります。

例えば、経済的に大きな影響を与えた以下のような各国間の課題も記憶に新しいのではないでしょうか。

現在の地政学リスクになり得る課題
  • イスラエルとイランの軍事衝突
  • 台湾問題で対立する中国と米国の関係
  • ロシアによるウクライナ領の併合

特にロシアとウクライナ間の問題は、2022年の相場全体を大きく乱高下させた要因のひとつです。

また、2024年7月現在はイスラエルとイランの軍事衝突も大きな話題になっています。

今後も、世界中から注目を集める紛争・政治的な緊張が新たに発生することで、スイスフラン円の価格が乱高下する可能性も考えられます。

また、上記の地政学リスクが上手く収束していくことも、スイスフラン安につながる要素といえるでしょう。

スイスのGDP成長率の回復

スイスのGDP成長率が回復することも、スイスフランの価格に影響を与えるでしょう。

2022年は下方修正を行いましたが、GDP成長率予想の下方修正が入った要因としては、欧州全体でのエネルギー不足の懸念が考えられています。

例えば、ロシアの天然ガス供給量の減少、フランス原子力発電所の稼働率低下などが大きな要因となりました。

さらには、主要な貿易先となるEU加盟国や米国の経済が失速したことも影響しており、特に輸入産業の衰退によってスイスの経済成長が滞る可能性が指摘されています。

2022年のGDP成長率を受けて、2023年についても1.9%から1.1%と大幅修正された模様です。

仮に予想するGDP成長率を上回れなかった場合、スイスフランの価格が揺らぐ可能性は高いでしょう。

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スイスフラン円を取引する上でおすすめのFX会社

スイスフラン円を取引できるFX会社は、国内でもさまざまです。

ここでは、スイスフラン円を取引する上でおすすめできるFX会社を2社に厳選して紹介します。

スイスフラン円を取引する上でおすすめのFX会社
  • GMOクリック証券
  • GMO外貨

GMOクリック証券

引用:GMOクリック証券
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スプレッド(スイスフラン円)0.8銭原則固定(午前9時~翌午前3:00) 10銭原則固定(左記以外の時間帯)
スワップポイント(スイスフラン円)82円(2024年7月執筆時点)
通貨ペア数20通貨
最小取引単位1,000通貨(※南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は10,000通貨単位)
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関連記事GMOクリック証券の詳細記事

GMOクリック証券は、金融やインターネットインフラの事業を展開する「GMOグループ」が運営する証券会社です。

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GMO外貨

GMO外貨Top
引用:GMO外貨
取引手数料無料
スプレッド(スイスフラン円)1.8銭原則固定(2024年7月執筆時点)
スワップポイント(スイスフラン円)85円(2024年7月執筆時点)
通貨ペア数24通貨
最小取引単位1,000通貨
強制ロスカット基準50%
公式ページGMO外貨公式サイト
関連記事GMO外貨の詳細記事

GMO外貨もGMOクリック証券同様、GMOインターネットグループが展開している証券取引所です。

なんと言ってもその特徴は、最小取引単位が1,000通貨と少額からスタートできる点でしょう。

他の証券会社では10,000通貨が一般的ですが、GMO外貨ではわずか1/10の資金から取引を始められます。

また、外国為替にも対応しており、最小1,000通貨単位から外貨への両替ができるのもポイント。

両替手数料が無料に設定されているため、低コストで日本円と米ドルなどの外貨を交換可能です。

スプレッドも比較的狭く設定されており、「他よりも低コストからFXをスタートしたい」といった方に最適な証券取引所といえるでしょう。

スイスフランは円のみならず、米ドルやユーロなど豊富な6種類の通貨ペアを準備しているので、興味のある方はGMO外貨公式サイトから詳細をチェックしてみてください。

スイスフラン円の予想・見通しまとめ

スイスフラン円の現在レートや今後を見通す上でのポイントを解説しました。

今回の内容をまとめると以下の通りです。

この記事のまとめ
  • 2024年現在、スイスフラン円は円安の影響もあり179円程を推移している
  • 安全資産となるスイスフランは、地政学リスクやユーロとの関係によって変動しやすい
  • リーマンショック・スイスフランショックといった出来事は、対円レートに影響を与えた大きな要因
  • スイスの金利上昇やGDP成長率の影響により、今後価格が大きく変動する可能性がある
  • スイスフラン円のトレードはGMOクリック証券がおすすめ

スイスフランは有事の資産として認知されており、投資家にとって信頼のおける通貨として活発に取引されています。

通貨の発行元であるスイスは日本と同様にマイナス金利を続けてきましたが、国内インフレの圧力に押され、金利上昇を余儀なくされている状況です。

今後も物価上昇が収まらずに推移していくと、再びスイスが金利上昇に乗り出す可能性も高いでしょう。

また、各国の経済的・軍事的な緊張感の高まりも相まって、スイスフラン高円安がさらに拡大していくかもしれません。

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監修者

Market α 編集部です。仮想通貨・為替・株式投資などの多岐に渡る金融情報を、初心者の方々から上級者の方々まで参考にすることができるように配信しています。

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